骨元気相談
骨粗鬆症
腰が痛む、背が丸まってきた、などの症状はありませんか?加齢と共に、体の機能は徐々に低下してきます。
今回はいつまでも元気に生活するために、基礎となる骨に注目して、ご紹介いたします。
健康寿命は、病気や障害、衰弱などによって介護が必要となった年数を、平均寿命から差し引いて算出されます。

介護が必要になる原因
要介護の原因となる疾患は、脳血管障害や認知症がありますが、骨折や転倒、関節疾患なども大きな原因となっています。骨折や転倒により要介護となるのは、骨粗鬆症が原因です。
ロコモティブシンドローム
~日本整形外科学会HPより~
ロコモティブシンドロームとは
運動器の障害による要介護の状態や要介護になる危険性の高い状態を表します。骨・関節・筋肉といった運動器の機能が衰えると、くらしの中の自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになったり、という可能性が高くなります。
ロコモティブシンドローム チェック
- 階段を上るのに手すりが必要
- 15分くらい続けて歩けない
- 片足立ちで靴下がはけない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 家のなかでつまずいたり滑ったりする
女性ホルモンと骨粗鬆症

骨粗鬆症の診断(原発性骨粗鬆症)
成人(20~44歳)の平均骨量を基準とします。骨量が基準の70~80%で脆弱性骨折がある場合を、また脆弱性骨折がなくても、基準の70%未満を骨粗鬆症と診断します。ちなみに、骨折が無い場合で、 基準の70~80%を骨量減少といい、骨が要注意の状態です。日本の総人口の10%弱が骨粗鬆症で、現在は症状が出なくても、いずれ腰痛や骨折を起こす危険があると言われています。骨粗鬆症は男性よりも女性の方が多く発症します。
なぜ骨粗鬆症は女性に多いの?
もともと若いころから女性の方が平均的に骨量が少ないということもありますが、女性ホルモンの影響があります。女性ホルモンには骨量減少を抑制する作用がありますが、更年期以降、女性の体内では女性ホルモンが著しく低下し、骨量減少が進んでしまうのです。

骨粗鬆症の症状
【軽度】立ち上がるときなどに背中や腰が痛む。重い物を持つと、背中や腰が痛む。背中や腰が曲がってくる。身長が縮んでくる。
【重度】背中や腰の激しい痛みで寝込んでしまう。転んだだけで骨折する。背中や腰の曲がりがひどくなる。身長の縮みがかなり目立つ。

骨粗鬆症の危険因子
女性では、閉経や、偏食、運動不足、アルコールやコーヒーの多飲、喫煙、日光照射不足といった生活習慣、病気などにより骨粗鬆症を発症する危険性が高まります。

骨粗鬆症にならないためには
【食事】どの年代でもカルシウムの摂取量が不足しています。カルシウムは意識的に摂るようにしましょう。カルシウム源としては牛乳をはじめとする乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚などがあります。併せて骨の成分となるマグネシウムや骨形成を促進するビタミンKなども摂ることがお勧めです。
【運動】適度な運動で骨が刺激されると、骨が強くなります。骨を強くするための運動は、負荷の大きい運動ほど有効ですが、散歩でも有効です。歩く際は、かかとで蹴りだすことを意識しながらしっかり歩くことがポイントです。 また家事で毎日こまごまと動くことでも骨が強くなります。30分程度の散歩を続けることによって、骨といっしょに身体を支えている筋肉も強くなり、身のこなしがよくなるため、転倒による骨折の防止もできます。
他にもある、女性ホルモンの作用
女性ホルモンの作用は、骨量減少を抑制する作用だけではありません。コラーゲン生成を促して肌にハリを持たせる作用や、血液中のLDLコレステロールを減らしてHDLコレステロールを増やし、動脈硬化のリスクを低下させる作用など、様々な作用が知られています。
更年期以降の女性では女性ホルモンが著しく低下しますので、弱い女性ホルモン様作用を示す大豆イソフラボンが注目されています。お豆腐や納豆などが女性にとってアンチエイジング効果があるということですね。